はじめに
コンピューターの中にはCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)と呼ばれる部品があり、これが文字通りコンピューターの中心として機能しています。このCPUの中はどうなっているのでしょうか?職業プログラマーの方でもほとんどブラックボックスとして扱っているのではないでしょうか?
ハードウェアに近い部分のプログラミングの経験がある方なら、CPUの中がどうなっているかは想像できるかもしれません。しかし、CPUそのものを作るとなると、イメージできないのではないでしょうか?
CPUの仕組みを理解するためには、CPUそのものを作ってみるのが一番です。本書ではロジックICを使って4ビットのCPUを自作します。
とはいえ、CPUの自作は難易度が高いです。そこで、自作するCPUの仕様を極限まで簡略化しました。また、CPUの仕組みの理解に集中するために、直接関係のない回路の説明は割愛しました。これらの回路については、CPUの仕組みを理解したあとに必要に応じてWeb等を参照すれば良いと思います。
本書を読む上での前提知識は特にありません。2進数や16進数、LEDの点灯の仕方、デジタルICの使い方、回路図の読み方などから解説し、CPUを設計します。
本書で設計する4ビットCPUはシンプルです。そして、低機能です。名前を「Foolish4」としました。Foolish4はオープンソースハードウェアで、専用プリント基板のガーバーデータも公開しています。プリント基板を利用してFoolish4を組み立てて、1クロックずつ実行してみるとCPUの動作の様子がよくわかります。
本書が、CPUの仕組みを学ぼうとされる方々の理解の一助となれば幸いです。
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